ピストンとシリンダは垂直に、そしてセンターに組みませんといけません。

バーチカルエンジンはとっても楽です。

キックを繰り返しながらヘッドボルトを締めれば、ピストンとシリンダーのクリアランス、垂直度は確保出来ます。

クランク室の上部、シリンダ取付け面の左右の接合面に段差がなく平滑なことは必要です、縦割りクランクですが。

ガスケットパッキンを入れるから・・・・なんてのはいけません

この面がクランク軸と平行になっていることが大前提です。

BMWの水平対抗エンジンに限らず横置きタイプ、前傾タイプは各シリンダが垂直に成るような位置で組みませんとシリンダの重さ(重力)に負けてセンターはズレます。

そう、水平タイプのエンジンでも垂直に立てて組みます。

腰上交換では・・・・・バイクを寝かす?、ウイリーさせる!????

腰上がずれると言うのが解りやすいでしょうか、パワーロスの元ですね。

細かく言えばオフセットされた分ストロークが減ります、圧縮比が減少しますね。

これだけなら良いのですが・・・・

腰上がずれていますとコンロッドとピストンが一直線になる瞬間が一度もありません。

コンロッドに角度があってもピストン上死点は上死点ですが・・・・・

実質的な点火時期にも違いがでますが、最大膨張のエネルギーを受けには上死点後(ATDC)約10度が理想とされていますから狂います。

自転車を漕ぎ始める最初のペダルの位置と同じですね。

これが水平位置だったり、斜め下の位置からでは力が十分発揮できません。

コンロッドにガタが出てきますね。

一番はピストンの姿勢制御に影響が出ることでしょうか。

ピストンとスリーブとの面圧が変わりますから、油膜のアンバランスが生じます、焼きつき・・・・・・


な訳で、キックを繰り返しながらシリンダを位置決めです。

プッシュロッドカバーのナットも締めておきます、忘れますから私は。

バルブクリアランスは取り合えず私の規定値のゼロタッチで合わせておきます。

寝かせて落ち着かせたところで、後日チェックし直します。

クリアランスはIN 0.02mm OUT 0.03mm もちろん機関冷却時です。

通常のメンテナンスではこの数値ですと、ゼロタッチで問題はありません。

ヘッドカバーをダストカバー代わりに載せて、また明日!

バラして組んで1時間程度でしょうか、単気筒は簡単です!
Meguro S7 No.1
軽量化で行こう、ボアUPはなし、初期の決意?は何処かに・・・・・・・・・・・・・

まあ、5年も中断していましたから人間は成長するんです!?

長い冬眠から醒めたら時代が代わっていました、心変わりかな?

交換理由は特になし?、いつもの思いつき!、やって見たかっただけです。


メグロのベストセラーと成ったSシリーズ。

メグロジュニアはJ2ジュニアから最終のS8ジュニアまでボア、ストロークは65X75mmと変更はありませんでした。

Jジュニアのみ70X64mmです。

試作は65X75で行なったようですから、J2ジュニアから元に戻したようですね。

以後は基本的に変わらないのに出力だけが上がっていきます。

何が違うんでしょう!?

潜在能力はもっとあるはず!?、OHVでも10000rpmは廻りますよね?

でやってみました!、メーカーによるS8のボアアップ版のJ8アーガスもありましたから・・・・・・・・・・・・

狙いのボアは71mmです。

スクエアに近くなりますね、本当はスクエアにしたいんですが。

ピストンは???の流用品に追加工です。

ピストンの材質によりクリアランスを考えなくては・・・・

加工した感じはローエックス合金のような・・・

熱膨張係数の小さいハイシリコンアルミ合金では無さそう!?

腰上交換
仮セッティングの状態のまま5年ほど放置してありました。

フィンには埃が溜まってしまいました。
取り合えず、ヘッドカバー、ヘッドをバラします。

キャブ、オイルラインを外します。

プッシュロッドカバーも緩めて単気筒はお気軽るです。
シリンダブロックを引き抜きます。

あまり勢い良く引き抜きますとピストンが倒れてキズになってしまいますから慎重に!

クランクケースにピストンが当たり最悪の場合にはピストン破損、ピストンリングが折れます。

ピストンさん、こんにちは、お勤めごくろうさまでした。

カーボンの付着は大してありません・・・て満足に走ってないか。
組んだ頃が懐かしい・・・・

ピストンのサークリップを外して自作プーラーでピストンピンを抜きます。

ゆっくり冬眠してください。
コンロッドのガタはありませんね。

5/100もあったら大騒ぎ?

コンロッドのエンドプレーも私の規定値。

クランク側は以前遊んだ時にスリーブ挿入部は広げてあります。

前回は大失敗のエンジンでした、10000Rpm廻りましたが・・・・・・・
    ん゛〜、写真が・・・・ フライスでボアを71mmに加工。

自家製ボーリング・・・・・大丈夫!?

砥石を使ったホーニングでクロスハッチを適当に・・・・

一応、チューニングエンジン?という事で普通目で。

メーカー純正は粗目ですね、ハイパワーを狙うには細目ですが焼き付きは嫌ですから・・

内燃加工屋さんも機械加工屋さんもやることは一緒・・・、1/1000は1/1000です。

加工する部品とユーザーが違うだけ?

ピストンはローエックス合金と判断してクリアランスは7/100・・・・取り過ぎ?

旧車ですからこんなもんでしょう!?

空冷は水冷よりも熱ひずみの割合が大きいですし。

この位のクリアランスの方が高回転を狙うのには都合が良いですしね。

ストリート、ツーリングユースならもっと狭くてもOKかな・・・・・

ピストンはトップランドに溝を切りラビリンス効果を狙おうかとも思ったのですが、コンプレッションハイトとの関係から断念しました。

ピストンピンも新規に制作です。
加工の終わったシリンダをブラスト後耐熱塗料を焼き付けます。

焼付けにはアラジンのストーブを使います。

天板を外すとボイリングリングがあります。

名前通りボイルする為のリングです。

加減しませんと400℃ほどに温度が上がります。
選手交代です、よろしくお願い致します。

右側が今回載せ換えるシリンダブロックとピストンです、ボアは6mmしか違いません!?

センダイトメタルと呼ばれるこのシリンダはスリーブ一体加工です、したがってスリーブは抜けません。

現在のスリーブをそっくり削り落として新規製作のスリーブの圧入も考えましたが次回に持ち越しです。

次回は73mmとハイコンプレッション!?

ピストンにオイルポケット加工でもしましょうか、エンジングライダーのように!?
燃焼室を加工したヘッドです。

写真ではよく解かりませんね。

ボアの拡大に伴い燃焼室も大きくなっていますので スキッシュエリアを増やしています。

混合気を攪拌するのが狙いです。

スキッシュエリアの割合が多い方がパワーは出ますね。

バルブに関しては次回のお楽しみで、加工は無しです。
プッシュロッドにIN、OUTの区別はありません。

次回、ロッカーヘッドを改造の予定!?

タペットのロッカーアームの作用点位置を変更かな・・・・・・・

Hiカム狙い・・・それとも素直?にBigバルブかな・・・・
タペットロッドです。

タペットリング、ゴムリングも忘れずに組みます。

タペットリングはS45Cを加工しメッキ処理です。

ゴムリングはウレタンゴムでの製作です。
組立て時のシリンダ、ピストンへのオイルは必要最小限です。

大量に付けても百害あって一利無しでしょうか。

組んで最初にエンジンを掛けてもそんな大量のオイルは燃焼し尽くしません。

生のオイルがEXバルブ、ガイド、排気ポート辺りにまとわり付くのが落ちです。

大量のカーボンを生み出してOHしたピストン、バルブ等にへばり付きます。

なんの為のOHだったのか、ピカピカに磨いたのに・・・・・・

対処法は思い切りよくエンジンを廻すこと、ガンガン廻します!

でも出来ませんね、組んだばかりのエンジンでは・・・・
メグロ ジュニアの簡単な遍歴
タイプ エンジン形式 ミッション形式 排気量 ボア×ストローク HP/rpm 電装 点火方式
Jジュニア J 246cc 70X64 7.0/4000 6V マグネット
J2ジュニア G 248cc 65X75 7.0/4500 前期
G2 後期
Sジュニア K 7.0/4200
S2ジュニア K2 QM 10.0/5000
S3ジュニア K2 ↑?
S5ジュニア K3 QM3 11.5/5000
S7ジュニア K3 前期
K5 13.5/5400 12V バッテリー 後期
S8ジュニア K5
参考
J8アーガス JH QM3 288cc 70X75 15.0/5500 12V バッテリー